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六波羅蜜寺 追儺式 『六波羅蜜寺に表れた土蜘蛛の正体は平将門だった?』※書き直しました。 

京都市東山区 六波羅蜜寺
追儺式・・・2月3日
 

①六波羅蜜寺の土蜘蛛伝説

六波羅蜜寺 節分 お化け
六波羅蜜寺の本堂に土蜘蛛が登場ーー!

六波羅蜜寺 追儺式 
土蜘蛛は糸を吐いて撒き散らします。

六波羅蜜寺 追儺式2

しかし住職が豆(?)を投げつけると、中堂寺六斎会の人々の太鼓の音に追いやられるようにして土蜘蛛は逃げていきました。

六波羅蜜寺 追儺式3 
江戸時代、六波羅蜜寺の住職であった慈舟和尚が本堂と仏像の修理を行いました。
しかし、その出来栄えが悪く、また土蜘蛛の精が現れては和尚を悩ませました。
このとき中堂寺六斎会の人々が鉦や太鼓を打って土蜘蛛を退散させました。


六波羅蜜寺の節分追儺式はこの伝説に基づくものです。

②六波羅蜜寺型灯篭は『土蜘蛛の塚』だった?


以前、六波羅蜜寺についての本を図書館で借りて読んだことがあります。
その本の中に『六波羅蜜寺型燈籠』の写真がありました。
笠の部分がお椀を伏せたように丸くなっているのが特徴で、境内にあると記されていました。

追儺式が終わったあと、境内を探してみましたが、『六波羅蜜寺型燈籠』は見つかりませんでした。
江戸時代に作られた燈籠なのだそうですが、たいして重要なものだとは考えられず、撤去されてしまったのかも?
うーん、残念です!
というのは、『六波羅蜜寺型燈籠』は『土蜘蛛の塚』ではないかと思ったからです。

なんでかって?

東向観音寺 土蜘蛛の塚

 
↑ 上は東向観音寺にある土蜘蛛の塚です。
笠の部分が丸い鉢状になっていますね。
六波羅蜜寺型灯篭の傘は、この土蜘蛛の塚の傘によく似ていました。

信貴山縁起絵巻に飛行する鉢の物語があります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BF%A1%E8%B2%B4%E5%B1%B1%E7%B8%81%E8%B5%B7#/media/File:Sigisanengi_tobikura.jpg

「鉢巻」「鉢が開く」などのように、頭のことを鉢ということがありますね。
そして蘇我入鹿や玄昉、平将門などの首が飛んだという伝説があります。
信貴山縁起絵巻に登場する「飛行する鉢」とは「飛行するドクロ(首)」の比喩なのではないかと私は考えました。

また土蜘蛛草子によれば、「空飛ぶ髑髏の跡をつけていったところ、土蜘蛛の巣があった」としていて、土蜘蛛と髑髏には関係が深いように思われます。

東向観音寺にある灯篭が「土蜘蛛の塚」とされているのは、その笠の部分が鉢状でドクロを思わせるからではないでしょうか?
すると、かつて六波羅蜜寺にあった六波羅蜜寺型灯篭もまた「土蜘蛛の塚」なのではないでしょうか?

③土蜘蛛とは頭部のない人間のこと?


昆虫の体は頭部、胸部、腹部の3つの部位からなりますが
蜘蛛は頭部と胸部の境がはっきりしておらず、頭胸部と腹部の2つの部位から形成されます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AF%E3%83%A2#/media/File:Archindae_characters.jpg

蜘蛛の体 

昔の人は蜘蛛を「頭部のない昆虫」だと考えたのではないでしょうか。
「土蜘蛛」とは記紀や風土記に登場する「まつろわぬ民」のことですが
謀反の罪で首を斬られたため、頭部がなく、そのため「土蜘蛛」と呼ばれたのではないでしょうか。

④飛行した将門の首と、将門の祟りを供養した空也

神田明神 

↑ 上は京都の膏薬図子にある神田神宮です。
古い写真で、現在の神田神宮とは景観がかなり異なりますがご容赦を。

図子とは次の通りにまで突き抜けた 家と家に挟まれた細い道のことです。
ちなみに通りに突き抜けず、コの字型になっている道のことは路地といいます。

平安時代、平将門は東国に独立国を作りましたが、朝廷が派遣した平貞盛、藤原秀郷の軍と戦い、流れ矢にあたって死亡しました。
将門の首は京に持ち帰られ、鴨川のほとりで晒されました。
将門の首はことあるごとに近隣住民に祟りました。
空也上人が将門の首が落ちた場所に念仏道場をたて、毎日念仏をあげたところ、首は祟らなくなったといわれています。
膏薬図子という地名は空也供養が訛って膏薬になったということです。

また将門の首は胴体を求めて飛び上がり、東へ向かって飛んでいったという伝説も残ります。

将門の首は「飛行するドクロ」であり、将門の体は「頭部のない体=土蜘蛛」であったと考えられます。
そして六波羅蜜寺の開基である空也は、祟る将門の首をを熱心に供養した人でした。
江戸時代に六波羅蜜寺に現れて、慈舟和尚を困らせた土蜘蛛の正体とは平将門の怨霊だったのではないでしょうか。

六波羅蜜寺 節分 豆まき 

節分には「お化け」といって変装して町を練り歩く習慣があります。
舞妓さんたちが美しすぐるお化けさんに変装して豆まきが行われました。

六波羅蜜寺 節分 豆まき


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[2016/02/05 00:00] 京都府 | トラックバック(-) | コメント(-)