大阪市天王寺区 四天王寺
どやどや・・・1月14日
1月に行われる法会のことを修正会(しゅしょうえ)といい、その結願には様々な行事が行われます。
追儺式を行うところもありますが、「どやどや」のような裸祭も修正会の結願に行われることが多いようです。
同日、京都の法界寺では「裸踊り」が行われています。

上の写真は法界寺の裸踊りです。
四天王寺の「どやどや」は天井から撒かれる牛玉宝印を取り合う行事です。
一方、法界寺の裸踊では牛玉宝印が撒かれることはなく、頂礼頂礼(ちょうらいちょうらい)と言いながら、手を上にあげ、おしくらまんじゅうのように体を押し付け合います。
牛玉宝印を撒く撒かないの違いはありますが、法界寺裸踊りと「どやどや」はしぐさがそっくりです。
私は法界寺裸踊りもかつて牛玉宝印のようなものを天井から撒いていたのではないかと考えています。
それがいつのことが牛玉宝印が撒かれなくなり、牛玉宝印を奪い合うしぐさだけが「裸踊り」として残ったのではないでしょうか。
牛玉宝印を奪い合う少年たちに柄杓で水がかけられます。
おそらくこれは水垢離の名残ではないかと思います。
やはり「どやどや」に似た行事に岡山県西大寺の「会陽」がありますが、「会陽」では垢離取場で水垢離を行います。
http://www.saidaiji.jp/website/eyou-activityまた法界寺裸踊りでも水垢離を行っています。
「どやどや」では牛玉宝印争奪戦と浄めの水垢離がいっしょくたにされているのではないでしょうか。
現在の「どやどや」では天井から「牛玉宝印」を投下していますが、
http://digioka.libnet.pref.okayama.jp/mmhp/kyodo/kenmin/eyo/eyo-jisya-osaka01.htm↑ こちらのサイトによれば、戦前の「どやどや」では数百本の楊枝とよばれるコリヤナギの枝を投下していたと書いてあります。
そしてその楊枝の先端に牛玉宝印が結び付けられていたようです。
おそらく、枝の投下は危険であるとして牛玉宝印のみ投下するようになったのではないでしょうか。
楊枝とは総楊枝(ふさようじ)、つまり昔の歯ブラシのことだと思います。
日本で現在のような歯ブラシが用いられるようになったのは大正時代のころからで、それまでは総楊枝が用いられていました。
総楊枝は細い木の枝で、この枝の片端をブラシのように噛み裂いて用いていたようです。
釈迦が楊枝を用いていたと記した文献もあり、ずいぶん昔からあったようです。
それにしても、なぜ楊枝に牛玉宝印を結び付けて投下していたのでしょうか?
牛玉宝印とは護符の一種ですが、もともとは漢方薬の五黄を水で溶いて文字を書いていたようです。
皇室には『牛玉宝印は水に溶かして飲む』と伝わっているそうです。
牛玉宝印は薬だったのです。
そして四天王寺で戦前のどやどやに用いられていた楊枝はコリヤナギでできていました。
柳の樹皮には痛みどめの効果があるサルチル酸が含まれています。
この楊枝で歯を磨くと歯痛が抑えられたのかもしれませんね。
つまり、牛玉宝印もコリヤナギで作られた楊枝も薬であったのです。
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[2016/01/17 00:00]
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