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葛城山 躑躅 『大和に横たわる巨大なクジラ』 

葛城山 躑躅

写真は20年くらいも前に撮ったものです。
数年前にもロープウェイの乗り場までは行ったんですが、ものすごい人でロープウェイに乗れませんでした。
やむなく歩いて登ることにしたんですが、途中で友人がギブアップしたので結局引き戻しました~。

それにしても今見ると、ヘタクソな写真だなあ~。

葛城山 躑躅2 

↑ このとき、まだPLフィルターを使うということを知らなかったんですね~。
反射がまぶしい~。

さてさて、葛城山ロープウェイがあるあたりは地名を櫛羅(くじら)と言い、地名の由来について次のような伝説があります。

弘法大師が葛城山を訪れた際、葛城山中にある滝が天竺のクジラの滝に似ているとして供尸羅(くじら)滝と名前をつけたことから、このあたりは『供尸羅』と呼ばれるようになりました。
のちに領主の永井信濃守が、『供尸』は『供に屍』となって縁起が悪いとし、『櫛』と改めました。

空海は遣唐使として唐には行っていますが、空海が天竺(インド)に行ったという話は聞いたことがありません。
それなのに空海はなぜ天竺のクジラの滝に似ているなどと考えたのでしょうか。
この伝説は史実ではないと思います。

日本全国に「クジラ」とつく地名は数多くあり、下記サイトに「クジラ」地名がまとめられています。
http://www.geocities.co.jp/NatureLand-Sky/3011/kujira-timei.html

鯨浜とか鯨埼という地名は海沿いにあって実際に鯨が生息しているところからつけられたのかもしれませんね。

でも、葛城山は海からは遠いです。
それなのになぜ櫛羅という地名なのでしょうか。

私は葛城山を見るたびに、その形が巨大な鯨に似ているなあ、と思います。
下の写真は葛城山の右端が切れていますが、龍王山から葛城山を見たものです。
手前の3つの色の濃い塊のようなものは、上から畝傍山、耳成山、箸墓古墳。
向かって左の色の濃い部分は天香久山・・・だと思います。

龍王山より大和三山・葛城山を望む 
昔の人は葛城山を巨大な鯨だと考えたところから、櫛羅という地名になったのかも?

かつてクジラは海の神・恵比寿と同一視され、エビスとも呼ばれていました。
日本全国にえびす神社がありますが、えびす神社の御祭神は蛭(えびす)または事代主(ことしろぬし)です。

事代主は一言主(ひとことぬし)という神と同一神と考えられています。
どちらの神様の名前にも「こと」とありますが、古代には言葉の「こと」と出来事の「こと」は同じものであうと考えられていたためだというのです。
すなわち、言葉と出来事は同じものであったということです。
日本の言霊信仰(言葉には力があり、口にした言葉は実現するとする考え方)は言=事とする考え方から生じたものかもしれませんね。

そういえば、葛城山の中腹には一言主神社があって一言主を祀っています。

一言主神社 イチョウ 

古の人々は葛城山の姿に、一言主=事代主=蛭子=クジラの姿を重ね合わせていたのかも?

[2015/05/15 08:35] 奈良県 | トラックバック(-) | コメント(-)