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大仏殿 万灯供養会 『大仏は長屋王の怨霊封じ込めの像?』 


奈良市雑司町 東大寺大仏殿
万灯供養会・・・8月15日


 大仏殿 ライトアップ

①奈良の大仏さん

743年、聖武天皇が大仏造像を発願し、745年より制作が開始されました。
752年に開眼供養会が行われ、インドの僧・菩提僊那が導師を務めました。
当時の日本は国際色が豊かだったのですね~。

大仏殿 万灯供養会 
大仏殿正面の観相窓(かんそうまど)が開かれて、大仏様のご尊顔を拝むことができます。

②大仏は長屋王の怨霊封じ込めの像?

大仏は長屋王の怨霊封じ込めの像であるとする説があります。

729年、長屋王は謀反を企てたとして厳しい取り調べを受け、自殺においこまれました。(長屋王の変)
当時、聖武天皇と夫人の藤原光明子の間には男子がなく、長屋王は皇位継承に近い立場にありました。
そのため藤原四兄弟(藤原武智麻呂・房前・宇合・麻呂)が長屋王を廃するためにしくんだ陰謀であると考えられています。

長屋王の変ののち、藤原光明子は人臣として初の皇后となり、藤原四兄弟が政治の実権を掌握しました。
しかし737年、藤原四兄弟は流行っていた天然痘にかかって次々に死亡し、長屋王の怨霊の仕業であると怖れられました。

また大地震がおこったり、740年には藤原広嗣の乱がおこりました。
聖武天皇はこのような社会不安をみほとけに帰依することによって払拭したいと考えたのではないでしょうか。

みほとけには長屋王のイメージが重ねられているのではないかと思います。
つまり、大仏は長屋王の怨霊封じ込めの像であり、長屋王の怨霊に対して「あなたのためにこんな立派な像をつくりました。だから、どうぞ怒りをおさえてください。」と祈ったのではないかと思います。

東大寺 大仏

③大仏は国家を安泰にしてはくれなかった。

ところが大仏造立は民衆の暮らしを圧迫する結果となり、多くの餓死者が出たようです。
大仏鋳造の釜が破れたという記録があると聞いた記憶もあります。大参事ですね。
また、水銀を用いて鍍金を施したため、多くの人が水銀中毒で死亡したと考えられています。

757年、橘奈良麻呂がクーデターを企てたとしてとらえられた際、東大寺建立が民衆を苦しめたと批判しています。 


大仏殿 多聞天

多聞天もすごく大きいです。
 



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[2014/08/16 21:00] 奈良の祭 | TB(0) | CM(0)

元興寺 桔梗 『生き返った智光と即身仏になった頼光?』 


奈良市中院町 元興寺

元興寺 桔梗
 
①生き返った智光

元興寺極楽坊のご本尊・智光曼荼羅(写真→ 
)にまつわるエピソードが『日本往生極楽記』に記されています。

元興寺の僧・智光と頼光は子供のころからともに学問にはげんできました。
ところが晩年の頼光は学問もせず、物も言わず、いつも眠っているようで、数年後入滅しました。 
智光が祈ると、夢の中に極楽に生まれ変わった頼光が現れて次のように言いました。
「私は人間関係を断ち切り、言葉を発せず、ただ阿弥陀仏のご尊顔顔と、浄土の世界だけを観じ、ようやくここに来られました。
あなたはそのような浄土に至る修行が足りないので、早くお帰りなさい。」
そして頼光は智光を仏の前に連れていきました。
仏は智光に「仏の顔や、浄土の素晴らしい姿を観じなさい」と言い、掌の中に小さな浄土の姿を現しました。
智光は夢から醒めると、夢で見た浄土を絵師に描かせました。
智光は一生これを観じ続けて往生することが出来ました。


また『日本霊異記』では、智光は行基が大僧正に任じられたのに嫉妬して地獄に落ちたのですが懺悔して生きかえり、行基に帰依したという話が記されています。

『日本往生極楽記』は智光が頼光のいる極楽へ行ったけれど追い返される話、『日本霊異記』は智光が地獄へ行ったけれど生き返る話で、ふたつの話は陰陽に書き分けられてはいます。

しかし、どちらも死んだ智光が生き返った話だといえますね。

②頼光は即身仏?

それにしても頼光のように、人間関係を持たず、人と話さず、いつも眠っているなんてことは普通の人間にはできることではありません。
もしかして、頼光は即身仏?



元興寺 桔梗2 


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[2014/08/05 19:30] 奈良県 | TB(0) | CM(0)